Surface Pro 3 のペンについて詳しくレビュー

今回は "Surface ペン" にフォーカスを当ててレビューしたいと思います。

この記事ではペンの使い勝手を比較する為、 Surface Pro 3 の他、 Surface Pro と Cintiq 13HD が登場します。

N-trig と Wacom

ご存じの通り、 Surface Pro 3 では今までとは違って N-trig (イスラエルのメーカー)のデジタイザー技術が採用されています。この違いで実際に何が変わるのか、比較していきます。

ちなみに、基礎技術としては両社とも 電磁誘導方式 を採用しています。ワコムはこれを独自に発展させた ペナブル・テクノロジー (→PDF) を開発しています。

具体的に何が違うのかというとこの技術に関しては素人なので詳しくは分かってないですが、ペン自体に筆圧入力センサーがついてるのは両者とも同じで、センサーを動かすための電力は N-trig は電池、 Wacom は無線給電となっています。ほか、特許が絡んだ細かい違いがたくさんあるのでしょう...

直線


OneNoteにて

画面上に定規をガムテープで固定し、直線を引きました。 Surface Pro 3 ではゆっくり線を引くと思った以上にブレてしまい、驚きました。

円・曲線


OneNoteにて

すばやく曲線を描くと普通なのですが、ゆっくり描くとやはりブレブレになります。コツは常に素早く線を引くようにする、でしょうか。

文字

小さい文字、複雑な字形の表現力が落ちています。


OneNoteにて

※わざと雑に書いたワケではありません

入力遅延は Surface Pro 3 のほうが少ないです。これは良いところですね。 ただし、ホバー中のカーソルの動きはかなり遅延します。(誰かが動画上げてるので参考にしてください)

また、ホバー中のカーソル位置と入力されるカーソル位置に画面の中心から放射状に0.5mm~2mmぐらいのズレが生じるようです。

筆圧


SketchBook Proにて

筆圧256段階のSurface Pro 3ですが、これは特に気にはなりませんでした。筆圧はたぶん問題ないでしょう

タッチセンサー誤爆

前の記事で書いた通り、ペン入力中にタッチセンサーが誤反応します。実際どうなるか。


SketchBook Proにて

ペン入力中に頻繁にこうなります。ちなみにですが、Photoshop CC 2014ではそもそもタッチでブラシ入力は出来ないような仕様ですので、パームリジェクションがよく出来ているというのは気のせいだと思います。そういってあたかも新技術を開発したかのようにアピールして消費者に対して優良誤認させるのは良くないと思います。以前の Surface Pro の仕様と変わっていません。

回避策として、手袋をして描けば問題ないと思います。

総評

Surface Pro 3 はペンのエクスペリエンスが先代と比べると、間違いなく劣っていると私自身は感じました。描き始めはなんとかなると思ったのですが、あらゆる点でものすごくストレスフルで、仕事で集中して1枚絵を仕上げる…といった用途に使うのはあきらめました。でも、軽いので、簡単にスケッチやクロッキーをするにはとても良く使えると思います。その辺は実際に使えています。

モバイル目的以外でペンメインで考えている方へは、あまりオススメは出来ません。一応高い買い物ではあると思うので、ペンが気になる方は店頭でじっくり触ってみてください。(私は海外レビューを見てペンが良くなっているという最初の噂だけ聞いて高すぎた期待で店頭即買いした感じなので人のこと言えませんが...)

ペンを使ったCAD等の作業、手ぶれ修正を使わない方、アナログに近い雰囲気の繊細なイラスト等、それ以外ではペンに慣れれば問題なく使えると思います。私も1ユーザーであり、この記事にN-trigをdisる意図は全くありません。もっと良くなると良いですね。

SketchBook Pro はアナログの描き味のタブレットPC・Ink APIにはじめから最適化された数少ないペイントソフトの一つです。おすすめです。

Surface Pro 3 と OneNote でささっと描いたやつ (2014年7月3日)
イラスト: もずく

Surface Pro では画面が狭く見づらい点はありましたが1枚絵を最初から最後までを普通に仕上げることができました。

免責

この記事で事実と異なる点があればお知らせください。お詫びして訂正いたします。

Surface Pro シリーズ、 Cintiq 等のペンタブレットデバイスを買ったからと言って、多くの場合、不思議に絵が上手くなることはありません。

付記

今回のレビューにあたっては、以下のインク入力対応のアプリを使用しました。

ほか、以下のアプリでも動作確認を行いました。

  • CLIP STUDIO PAINT DEBUT月額版 1.3.4
  • Adobe Photoshop CC 2014
  • Adobe Illustrator CC 2014 ※ペン入力に少し不具合あり
  • Adobe Illustrator CS6
  • SketchBook Express (ストアアプリ)
  • OneNote (ストアアプリ)
  • Office Word

N-trig の Wintab API 対応ドライバは SAI等で試して見たところ、まともには動作せず、筆圧こそはエミュレートできるもののあまり実用的ではありませんでした。サイド・テールスイッチ(消しゴム)も使えません。(この記事ではレビューしていません)

(追記) ペンに関するアップデート

MSはペンについてのいくつかの問題を修正するらしいとの話を聞きました。

→ アップデート来ましたが、筆圧カーブが設定できる程度でした。